パン友さんへ   by M-san

君は覚えているだろうか。
別れ際に交わしたあの言葉を。
「ずっと待っている。何年だろうと、何十年だろうと、君の帰ってくるべき場所である、この東京で待っている。どんなことあっても、君が帰ってくるべき東京にずっといる。だから、安心して行って来い」と、言った僕の言葉を。
「絶対に帰ってくる。何年だろうと、何十年だろうと、自分の夢をかなえるために、なにがなんでも帰ってくる」と、君が言ってくれた言葉を。
あの日からもう2年が経った。
君は覚えているだろうか。


電話口から聞こえる、君の楽しそうな声。辛そうな声。うれしそうな声。落ち込んでる声。
たまに会って見る、君の楽しそうな顔。辛そうな顔。うれしそうな顔。落ち込んでる顔。
遠く離れた場所にいても、これだけいろんな表情が出来ているのは、君がちゃんと元気でやっていけている証拠。
君の事だから、一大事になるんじゃないかと思っていた。
今すぐにでも君の元に駆けつけて、元気付けたり、お説教したかったこともいくつかあった。
けど君は大丈夫みたいだったね。
そんな思いを遠くで2年もしていた。


お互いが交わした約束の日から2年経った。
君の事を心配しながら、君の帰るべき場所で2年待った。
もうすぐ君は帰ってくる。
自分の夢をかなえるために君は帰ってくる。


「帰ってくる日が決まったら教えてくれ。その日は君の事を迎えに行くから」と、別れ際に君に言った最後の言葉。
これはどうしても守れそうにない。
ちゃんと迎えに行けたなら、その時に言おうと思っていた言葉がある。
2年間、君と別れたときからずっと言いたかった言葉。
迎えに行けない代わりにここで言わせてほしい。


おかえり