3月のライオン9巻レビュー〜少女の決意、少年の覚悟〜 byパン友

こんばんは。パン友です。


えー、表題の通り9巻をレビューしていくわけですが、今回は少しお時間を頂く感じになりました。


これまでならその日の内に長文を公開することができていたのですが、今回は仕事の都合上あまりにタイトでして……。
発売日の金曜日は勤務校の校外学習、翌日土曜日が部活の引率からの以前働いていた小学校の運動会に来賓として参加やらなにやらと。そしてそのままずるずると、この有様であります。。
いやー、学校の方も色々とありましてね、正直またメンタルこないか心配な昨今であります。(あ、余談ですが小学生達はみんな相変わらず素直でめんこかったです☆他意なしに…!
この辺の事情はこのブログの相方(最近めっきり現れなくなりましたが…)にも軽く愚痴ったりしましたが、何と言いますか、、女子生徒は怖いなぁ…、と。。まぁここでは詳しく書けませんが。。


…兎に角もう少しすれば多少落ち着いてくるはずですので、そこまで頑張れればなぁ、と(^^;
あとね、もう一つだけ重要な理由(言い訳)があるのですよ…
まだ買って間もない最新式のスキャナーがぶっ壊れやがりまして、写真をアップできなかったのです。
今回は差し詰めiPhoneたんで撮った写真で間にあわせていますが、やはり暗くて見づらい仕上がりとなっています。
その辺も含め、どうかご容赦のほどお願いした上でご覧いただければなぁ、と。。


そんなこんなで。
まぁいよいよ9巻について語っていこうかと思いますが、実は本巻について僕から何か書いておきたいことというのは特になかったりします。

ヒナちゃんのいじめ問題が収束に向かいつつあり、さらに前進していこうと前を向き始める様子が丁寧な筆致で描かれております。

僕の方も、いじめとか教育の話は前回と前々回で粗方語り切った気がするので、今回は一漫画好きとして面白いと感じた点を書き殴る程度にしておくことにします。要するに、個人の感想をただ自分なりにまとめた風な感じになっているかと。


まぁ冒頭(チャプター84)ではいじめの加害者である生徒の対応について描かれてたりしますが、この辺も前回のレビュー(←リンク飛びます)で書いてますので省略……。


というわけで、チャプター85。
色々あったヒナちゃんの気を紛らわそうと、自分にとって学校内で唯一心を許せる居場所、科学部のイベントに招待した零君。

こういう積極的なところもあるんだけど、やっぱり少しズレている零君がなんとも良いですね。
楽しそうな零君の様子を見て、また温かい部活メンバーや顧問達との触れ合いを通し、この学校を受験したいと思い立つヒナちゃん。


あれから少しずつ笑顔を見せるようになったものの、元気がなかった彼女が改めて前を向こうとした瞬間であります。
まぁこの前の話でお菓子作りに精を込めようと気合の入ったヒナではありますが、本当の意味で立ち直るきっかけは、やはりこれだったのではないだろうか、と思わせるシーン。


次いでチャプター86。
例の諸問題でごたごたしていたため、受験勉強に大分遅れて取りかかることになったヒナちゃん。

その勉強に付き合う零君ですが、、
お年ごろな二人だけの時間を過ごしても、そういった意味でのことは何も起こらないのが彼ら。


ほんとほっこりしますね。
あかねさんのお夜食も本当に美味しそうです。


そして僕的に今回一番印象に残ったのが次の場面。

ヒナが自分の意志で(通いたい)と決意した高校は私立。
現在一部学用品などを除き、昨今完全無償化が実現した公立高校と比べればそれを支払う保護者の負担は大きいと言わざるを得ません。
実際綺麗事だけでなしに、どうしても私立受験が叶わなくて涙を飲む受験生は多いという現実は今もなおあるかと思います。


しかしそれにしたって、ヒナちゃんの年齢でここまで真剣にお金の問題と向き合える子どもというのはどれくらいいるのでしょうか。

自分の希望だけではどうにもならないことというのは、彼女の年代くらいから怒涛の勢いで増えてきます。
周りと比べたり、自分自身の限界を知ったり、また彼女のように、生まれながらの境遇を受け入れるべきだったりと、ナイーブな思春期に立つ中学生にとってはあまりに大きな現実。

それでも、その悩みを素直に打ち明けたヒナちゃんに対してのじいちゃんの言葉。


これにはグッときました。
親心、ってのは勿論あるかと思いますが、それ以上にこれまで頑張ってきたヒナちゃんのことを知っていて、認めていることがわかるシーン。

これは個人的な意見ではありますが、子どもだからとか大人だからって言葉に騙されて、お金や自分自身のことに目を背けて良いってことにはならないかと思っています。
後後になって、「だって決めたの私じゃねーし。お母さんだしー」とか、「そもそも私まだ子どもだし〜」とかいうのは、はっきり言って格好悪いと思います。
親のせい教師のせいにして負けを少しでも軽くしようとしている暇があったら、己を磨いて今やれることを全力で出し切ればいいだけです。

もっとはっきり言いましょう。
自分家の経済力で希望している高校なり大学なりに入れないっていうのなら、死ぬ気で勉強して自分の頭で奨学金取るなり、または自分名義で借金してでも行けばいいだけの話ではないかなー、と。
僕の周りにもこういった言い訳をこぼす人間がたまにいるのでぶちまけちゃいましたが、結局そんなのは甘えだよなーと。。


……。
ごめんなさい、話がそれました……。
兎に角、(この子なら大丈夫だ)と信じたじいちゃんは、もちろん家族でありながら、ここでは一人の人間対人間としての決断をしたのだと思います。
ヒナちゃんは賢いし、そりゃあ結構なプレッシャーを感じたと思います。
(あぁ、絶対に頑張らないとな…)みたいなね。
まぁ金出してくれて学校とか行けてる学生さんは、少しでも親に恩恵受けてるって自覚持った方が良いよねと、そういうことが言いたいわけです。。(勿論俺も含めて、ね…


チャプター87。
そんなおじいちゃんの心境を描いたのがこのお話。
作品中のセリフを逆算して考えるに、現在75歳前後ではないかと推測されるおじいちゃん。
そりゃあずっと立ち仕事な上、イベントであんな無理しちゃ身体に障ることでしょう。。
しかしそれでも、、


うーん、本当に良い人だよなぁ。。
孫想いで暖かくて、それでいて厳しい。
彼のような存在が、この“3月のライオン”の根幹を担っていると言っても過言ではないように思います。

そしてヒナちゃんはというと…。

そのプレッシャーのせいもあるのか、熱を出し寝込んでしまった彼女。


ここでは看病してくれる零君に、ヒナちゃんが改めて存在の大きさを認識するシーンでもあります。

これは、気になる展開になってきやがりましたな…!(ゴクリ……


でも取りあえず、肝心の受験結果はというと……。


チャプター88。


見事合格☆

いやぁ、この子のこういう顔が見たかったわけですよ、僕ぁ。。

しかし、ただ嬉しいことだけが続くわけでは当然なくて…


チャプター89。

まぁ、失恋ですね。
そっち方面が疎そうな彼女の場合(まぁ僕が勝手に思っているだけですが…)、恐らくこれが初恋にして初めての失恋だったのではないでしょうか。
う〜ん、、なんとも甘酸っぱい。。


チャプター90。
こっからヒナちゃん回は一端お休み。
また零君の将棋人生へと話が戻っていくわけですが…

うーむ、取りあえず今回は箸休めの回って認識でOK?

悪魔顔の棋士は文字通りの意味で死神でした(笑)
でもこの人のインタビュー記事を読んで、こういう人生も面白いなぁとか思いました。人の今後を左右する大一番に現れ、その表情を眺める死神を演じることを享楽とする人生……。



うん、怖いね(笑)
自分がこういった人の気持ちがわかるわけもないし、また知りたくもないのですが実際いたら面白いですよね。


チャプター91。
人知れずひたすらに努力をし、本気で打ちに行って負ける男の話。


これは、なんというか前巻の巨匠戦と通じる部分がありますね。
己の限界に挑戦し続けてきた兵(つわもの)にのみに開かれた境地、ともいうのでしょうか。。
僕にはその重圧や苦しみなどは想像するくらいしかできませんが、本当にどうしようもないくらいに冷めた世界なのだなぁ、と感じました。
何かに挑戦し続けるということは、同時に何度も自分の弱さに気づき、修正を試みること。
これは誰しもできるわけではなく、常人であれば途中の降り場で退却することも考えて然るべきなのですが、ここに登場した彼は決して折れずに挑み続けるのです。

そしてそれは負けた後でも同じこと。


ひたすらに勝てるその日を信じ(夢見るだけでなく)、自分の将棋を全力で打つ。
勝負の邪魔に入った闖入者を駆逐した宗谷も勿論格好良いわけですが、この敗者も唸る程に憧れます。


こういう地道な努力を続けられる人間こそが、真の勝利者足りえる条件なのかもしれません。


と、いうわけで9巻終了!
今回一番お気に入りのシーンは文句なしで以下!

うーん、なんという少女性の凄まじいオーラであろうか。。
やはり羽海野先生の描く女の子は繊細で柔らかくて良いですね!(至極真っ当な考えに基づ(ry


そしてヤングアニマル最新号。



うひょぉおう☆


ヒナちゃんかっわぇええええ!!

もうね、うっはうはですよ。こんな可愛い子が自分の学校入って来たりしたら。

しかし。。


やっぱり零君は零君なのですね(笑)
なんとも彼らしくもあるのですが、少し腹が立ってくる最近です。。←

ま、そんな感じでまだまだ3月のライオンは続きそうな感じ。


…続き,ますよね??


本作ではいつも以上にまったりな回が多くて癒し効果が高かったように感じました。
コミックス巻末のおまけ漫画では羽海野先生がファンレターを貰って喜んでいた様子が描かれていましたので、皆さんも送って先生を喜ばせちゃえば良いと思います!
みんなで羽海野ワールドをもっともっと広げていきましょう!
(追伸・先日のツイッターでは先生が入院した旨をツイートしておりましたが、その後の御加減が気になります。。大事でなければ良いのですが……


それでも信じて待つしかないですね。
一ファンとしての願いが、どうか届きますやうに。