俺の’黒猫’はこんなにも可愛い!   by M-san

病気治って直ぐ、アニメイトラノベやらマンガやらを買って、さっさと家に帰り、買ったラノベの’俺の妹がこんなに可愛いわけがない’の7巻を読みました。
読んでみてのざっとした感想は、今まで恭介との絡みがメインだったキャラが、ヲタイベントを通じて桐乃にも絡むようになったので、なんか終盤に向かってるなぁって感じでした。
こんな場面って今までの’俺の妹’にはなくて、急にこの7巻で出てきたもんだから、7巻と6巻以前の作品の中身の空気感が様変わり(言い過ぎかな?適切な表現が思い浮かばないなぁ)してるかな。
今までは僕の中で’俺の妹’にあった『まだまだ続きが読める』という気持ちからくる、次巻に対する『楽しみ』とか『期待』がありました。けど今は、『終わる』というのが心に少し引っ掛かっていて、『寂しい』とか『楽しみが減る』とか『読めなくなる』とか、ちょっとネガティブな気持ちになってます。


ですが、そんなマイナス気味な気持ちになっちゃてる僕を、たった1人のキャラが『救済してくれるの?』っていうシーンがいっぱいでもあったりする’俺の妹’7巻・・・
もう読んでてニヤニヤが止ッマラッナイー!
そんで胸がキュンキュンする!


いつも思うけど、そのキャラはいい仕事をしてるよー。
桐乃に対しても。恭介に対しても。そしてなんと言ってもこの俺に対しても!
マジで黒猫さん小悪魔っす!惡天使っす!恋する女子っす!
はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
俺って気持ち悪いね!
でも、この気持ちを理解してもらうために、勝手に『黒猫さんのよりぬきシーン』をご紹介しますよ。


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―シーン1―
・恭介が『桐乃に彼氏はいない』と、黒猫から聞いた後の一幕。

「ねぇ・・・」
黒猫が俺の耳に口を寄せたまま、意地悪そうな声で言う。
「もしも妹に彼氏がいたら―――どうするつもりだったの?」
吐息が耳にかかって、くすぐったい。掴まれている手首が、妙に熱く感じた。
「・・・・・・・・・・・・・・さあな、知るかよ」
吐き捨てるように言って、問い返す。
「おまえはどうなんだ。もしも桐乃に彼氏がいたら、さ」
「もしもあの女に恋人ができたら―――ね。なかなか興味深い仮定だわ」
俺からそっと身を離した黒猫は、俯き、しばし沈思してから、囁くような小声で言う。
「あの女に恋人ができたら・・・・・・きっと夢中になるのでしょうね。いつものように」
「そうだろうな」
あいつは、いつだってそうなのだ。陸上や、勉強や、モデル活動や、オタク趣味と同じように、夢中になって、一心不乱に、恋愛を頑張るだろう。
全部が大事で、全部があってあたしなの―――ってな。
「いまよりさらに遊べる時間が減って・・・・・・そうしたら、沙織が寂しがるでしょうね」
寂しいのはお前だろ、と、よっぽど口を挟みたかった。
「だけど」
黒猫は小さく呟いた。
「だけど、私は・・・・・・喜んでしまうかも」
(7巻 P116〜P117)


随分前に恭介に面と向かって(ちなみに2人きりの時ね)、『好きよ・・・・・・あなたの妹が、あなたのことを好きなくらいには』(5巻 P217)と、いうことを言っちゃてる黒猫さん。
それから、恭介と黒猫の2人だけで会ったりする時間が増えたりして、お互いのことをより理解できてのこのシーンは、もう、黒猫さんは恭介のことが好きなのがバレバレです。
それに、厨二病邪気眼女=黒猫さんも、普通の女の子で恋もするっていうのを感じられて、ごちそうさまって思いました。


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―シーン2―
・夏コミ3日目に黒猫さん1人で同人活動している『神聖黒猫騎士団』がサークル参加すること。それを知った恭介が、黒猫さんの手伝いで桐乃・沙織・恭介の3人がサークルに参加して、桐乃・黒猫さん・沙織・恭介の4人で合同同人誌を作る提案。その提案が通り、それぞれがどんなものを同人誌に載せるか話してる一幕。

「で、恭介氏は、どんな作品で同人誌に参加するつもりなのでござる?」
「おう!」
俺は爽やかなイケメンスマイルで親指を立て、自分の顔を指差した。
「沙織からマスケラの衣装を借りて、俺のコスプレ写真コーナーを作ろうと思うんだ!」

「ブーッ!?」
桐乃が盛大にジュースを噴いた。
しかも、俺の顔面にぶっかけやがった。
「ちょ・・・・・・汚ったねぇな!な、なにすんだ突然!」
オレンジジュースが思いっきり目に入ったぞ!痛い!眼球が超痛い!
「ゲホッ、ゲホッ・・・・・・!あ、あんた・・・・・・得意げに何言ってんの!?」
両目を見開いて、ドン引き中の我が妹であった。
あっれー?おっかしーな・・・・・・いい企画だと思うんだけど。
だってほら、コスプレした俺って、かっこよくね?
黒猫が、むせる桐乃の背をさすってあげている。
「だから言ったでしょう?・・・・・・あなたのお兄さんがこの顔したときは、ろくなことを考えてないのよ」
「けほっ・・・・・・だからって・・・・・いくら何でも『俺のコスプレ写真コーナーを作ろうぜ』はなくない?同人誌をめくってたら、いきなり地味男のコスプレが目に飛び込んでくるんだよ?」
「カオスですな」
ちょ、沙織!おまえまで俺を裏切るのか!?
自信満々で提出した腹案が否定されてしまい、俺はべたべたになった顔面をハンカチでぬぐいながら、消沈した声で呟いた。
「・・・・・・まずいかなあ?」
「「「まずい」」」
三人揃って全否定である。・・・・・・バカな・・・・・・超そっくりだと思ってたんだけど。
しかしそこで・・・・・・
「・・・・・・でも、まぁ・・・・・・」
黒猫が小声で意見を追加した。ちょっと頬を赤らめて、
「そ、そういうのも、意外性があって・・・・・・やりようによっては悪くないかも・・・・・・」
「ちょ・・・・・あ、あんた、本気で言ってる?」
「・・・・・・その・・・・・・参加者各自がやりたいものをやるというのが、同人の醍醐味よ。男一人のコスプレ写真コーナーが問題だというなら・・・・・・わ、私が、一緒にやってもいいし・・・・・・」

おお、さすがコスプレ好き!話しがわかるぜ!
―――中略―――
「任せろ」
深々と頷く俺。その様子に何か言いたげな眼差しで眺めていた桐乃は、黒猫に視線を移して小さく舌打ちする。
「わかったわよ。・・・・・・あんたらの好きにすれば?」
「・・・・・・別に、私は・・・・・・あなたのお兄さんがやりたいというから・・・・・・仕方なくよ、仕方なく」
「黒猫!じゃあ俺と一緒に二期のクライマックスを再現した写真撮ろうぜ!」
「そしてどうしてあなたはそんなに一人でノリノリなの・・・・・・」

(7巻 P151〜P155)


黒猫さんは、恭介の漆黒がとてもお気に入りだと思う。
だってそうじゃなきゃ、とことん恭介の漆黒にダメ出しをすると思う。
なぜかっていうと、少しでも『マスケラ』に対しての批判とかを言われると、直ぐに『違うわよ』とか言って、『このアニメの素晴らしさは』と語りに入ったりするとおもうんです。
だけど今回は、そうしないで恭介に助け舟を出すんです。
そして、一緒にコスプレしてもいいとか・・・
黒猫さんは個人的に漆黒のコスプレをしてる恭介のコスプレを近くでみたいとか、コスプレ写真が載ってる自分達で作った同人誌でもじっくり見たいとか、カタチに残しておきたいとか・・・
黒猫さんは、こんなのが目的でこのセリフを言ったんじゃないかっていう妄想が、頭ん中で何個も出てきて、自分の中で整理がつかない状態です。


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―シーン3―
コミケ3日目。サークル参加の入場口に向かう途中での桐乃・黒猫さん・恭介の一幕。

おら、早く行くよ。沙織はもう先に入場してサークルブースで待ってるって」
「へいへい。って待てよ桐乃、黒猫からメールあって、この辺りにいるとか―――」


「―――さっきからずっと隣にいるわ」


「えっ?」
囁くような声に振り返ると、そこいたのは、つば広帽子をかぶった白いワンピースの少女だった。
「・・・・・・無視しないでくれるかしら」
「えっ・・・・・・と」
俺は呆然と声を失い、その姿を凝視する。桐乃もとなりで息を呑んだのが分かった。
黒のゴスロリでもなく、ブレザーの制服でもない、私服。
儚げな印象はそのままに、痛々しさがそのまま清楚さに転換したような―――。
―――中略―――
「す、すまん、あんまり普段と違うから・・・・・・つい」
「ま、まったく・・・・・・あ、あなたが・・・・・・『見たい』と言ったのでしょう?」
「・・・・・・あ、あぁ。そう・・・・・・だったな」
みんなでコスプレしたときといい、入学式のときといい、最近こいつにはイメチェンで驚かせてばかりだ。しかし、それにしても・・・・・・これは・・・・・・。
かわいい。暑さと相まって、くらっとしてしまうほどに。
いつもより少し幼く見えて、それが普段気付かない魅力を引き出している、というか。
「いいな、それ」
「そ、そう?」
「ああ。似合う。すごく。夏の青春映画にでてきそうだ」
我ながら、なんと口べたなやつだろう。感じたことの十分の一も伝えられていない。
・・・・・・ううn・・・・・・こいつも肌も透けるほど白いし・・・・・・服も白いし。
イメージカラーが変わっっただけで、こんなにも人の印象って変わっちまうのか。


「もう黒猫じゃないな。白猫だな」


「・・・・・・なによ、それ。褒めてるつもり?」
呆れられてしまった。
だけどこんな下手くそな賞賛でも、少しは伝わったらしく、黒猫は幽かに頬を染めていた。 
―――中略―――
「てか、その服・・・・・・今日着るためのやつだったんだ・・・・・・」
桐乃は複雑そうな表情で、腰に手を当て、目をすがめていた。
さっきからなんなのこいつ。自分が見立てた服を黒猫が着てきたのが、どうしてそんなに気に食わないんだ?そこはむしろ『おおっ!それ、わたしが見立てた服じゃん!えーなーにぃアンタ〜着てきたんだぁ〜』って喜ぶところだろう―よ。
―――中略―――
そしてもう一点、変わったといえば・・・・・俺と黒猫の関係も、そうだ。
一年前は、たんに『妹の得難い友達』―――としか、思ってなかったのに。
いまは―――
「・・・・・・・・・・・・」
いまは、どうなんだろうなあ。よく、わかんねーや。
そんなことを考えていたものだから、つい、黒猫の横顔を見つめてしまっていた。
「なに?沙織も待っているのでしょうし、早く行きましょう?」
「ああ」
・・・・・・桐乃のやつは、本当にいい仕事をしやがった。
かわいいわ、こりゃ。
(7巻 P158〜P165)


羨ましい。羨ましすぎるぞ恭〜介〜!俺も白猫さん見たいよ〜。完全に恭介を落としにかかってるでしょ、黒・・・じゃないや・・・白猫さん。
だってさ、桐乃に頼んでまで服選ぶって、もう勝負しかけてるでしょ。
それに気付けよ恭介さんよぉ〜。
はぁ〜、もう白猫さんは女の子だよぉ〜。
厨二病邪気眼女が霞んでしまうよぉ〜。
ほんとに白猫さん、かわいいわ、こりゃ。


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―シーン4―
コミケ会場にて、桐乃の仕事の知り合いに会ってしまって、お互い自己紹介をし終えた後の一幕。

俺はきわめて胡散くさいものを見る目で、女みたいなツラした美形男の笑顔を見やった。
「えーと・・・・・・超美形の有名ファッションモデルで?エタナーの別ブランドを任されている凄腕アクセサリーデザイナーで?俺と同じ十八歳の高校生なの?」
「はいそうです」
「ごめんブッ飛ばしていいかな?」
「な、なんでですかっ!?」
だって腹立つじゃん。
しかも遠慮なしに『はいそうです』と即答しやがって。
チッ、チッチッ、チィッ!んだよその超勝ち組設定はよう、男版桐乃かっつうの!
話してみるとスゲーいいやつそうなところがまた性質悪いわ。
存在自体がムカつくのに、いいやつ過ぎて憎めねえってなんだよ
逆に自分の卑小さを自覚してしまうじゃないか。クソッ、イラつくぜぇ〜〜〜〜〜〜ッ。
「先輩、発言がチンピラ以下よ。自重しなさい」
「・・・・・・ごめん」
黒猫に怒られちゃった。・・・・・・アレだな、俺、他人のこと人間のクズとか言えねーな。
反省しねえと。むすっと瞑目したところで、そっと黒猫が耳打ちしてきた。
「・・・・・・・・・・・・先輩も、見ようによっては悪くないわ」
「・・・・・・ありがとよ」
い、いまのは慰めたつもりなのか?
「・・・・・・」
黒猫がさらに、ぼそっと何か言いかけたのだが、桐乃が割り込んできてかき消される。

(7巻 P228〜P229)


何?
「・・・・・・・・・・・・先輩も、見ようによっては悪くないわ」って言うセリフは?
普段のこと?漆黒のコスプレしてるときのこと?妹を助けるのに必死になってるとき?全部?
なんのこと言ってるんだ〜?
そして、『ぼそっと何か言いかけた』ことってなに〜?
もう。もう。もう。
大勢の人の目を盗んで、なにいってるんですか黒猫さん?
もう、なにこの女の子。
可愛過ぎるよ。
どうしよう。


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―シーン5―
コミケ3日目(最終日)の翌日、高坂家(桐乃と恭介の家ね)で桐乃・黒猫さん・沙織・恭介の4人でコミケの打ち上げをやることになった。そんな高坂家の前での黒猫さんと恭介のやり取りの一幕。

黒猫から投げかけられた提案に、俺は興味のないふりをして応える。
「・・・・・・へえ、面白いじゃん。言ってみろよ」
「『昨日コミケで会ったあいつが彼氏だったら、俺はもう用済みだな』」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・どう?当たっている?」
・・・・・・こいつ。
俺は高坂家を目前にして、ぴたりと足を止めた。じりじりとした熱気のせいで、額から汗が一筋垂れて落ちる。
「・・・・・・ふん。なんだ、それも例の『闇の力』ってやつか?」
内心を言い当てられて面白くなかったので、つい、嫌な言い方をしてしまった。
黒猫は「違うわ」と言った。
「そんなものを使わなくても、分かるもの」
「じゃあ、なんで」
黒猫は俺を真っ直ぐ見つめてきた。
無感情を装った、思いを詰めた表情で、
「・・・・・・私があなたのことを、見ていたからよ」
「・・・・・・・・・・・・」
顔が熱くなった。心臓を鷲掴みにされたような錯覚。ごまかすように、視線をそらして頬を掻く。冷静さを装って―――しかし核心をかすめる言葉を投げた。
「・・・・・・いきなりなこと言われたら、勘違いしちまうぞ」
「・・・・・・・・・・・・か、構わないわ」

消え入るように呟いて・・・・・・黒猫は俺の言葉を待っている。
構わない・・・・・・って。ど、どういう・・・・・・。
心臓が痛い。息が苦しい。混乱した俺は、どう応えるべきかわからなくて、
「おまえ、俺のこと、好きなの?」
いつかと同じ問いを口にしていた。からかい混じりだったあのときとは、心境が違いすぎる。
答えを待っているたった数秒が、永遠のように感じられた。
「好きよ」
黒猫は、以前と同じ答えを―――否。
「好きよ・・・・・・あなたの妹が、あなたのことを好きな気持ちに、負けないくらい」
少しだけ違う答えを、返した。

「・・・・・・えっ、あ―――」
かぁっと脳が沸騰する。麻薬を直接頭の中に流しこまれたような、陶然とした気分。
情けないことに、俺は何かを言おうとして、噛んでしまう。ごくりとツバを飲んで、もう一度口を開いた。
「・・・・・・じゃあ、あのとき、俺に・・・・・・キスしてくれたのって・・・・・・」
「・・・・・・あれは、ね。・・・・・・あれはっ・・・・・・―――」
問いへの答えは、返ってこなかった。

―――中略―――
「・・・・・・は、入るか、沙織ももう来るだろうし」
話しを切り替えるようにそう言った。
だが、扉に向かって一歩を踏み出した俺のシャツのすそを、黒猫が引っ張った。
話は終わってないわよ―――そう主張するかのように。
「ねぇ・・・・・・先輩」
「・・・・・・なんだ」
「私は、あれからずっと、考えていたことがあるのよ」
「・・・・・・考えていたこと?」
ゆっくりと振り向く。黒猫は俯いていて、その表情は窺えない。
「ええ。どうしていいか分からなくて―――どちらを選んでも後悔する気がして。こんなに迷ったのは、生まれて初めてかもしれないわ」
どちらを選んでもとは、何と何のことだろう。俺には本当に、心当たりがなかった。
だから、大切な後輩に、何と言ってやればいいのかも、分からない。
「それで・・・・・・ね。結局私は、ある人を見習って、自分の欲求に素直になろうと決めたの。思い切り、欲張りになろうと決めた。・・・・・・きっとあの女ならこんなとき、どちらかを諦めたりはしないでしょうから」
「・・・・・・すまん、俺には、おまえが何を話しているのか・・・・・・」
「・・・・・・構わないからそのまま聞いて」
少し震えた口調から、黒猫の必死さが伝わってくるようだった。
「私は―――もはや遠慮はしない。私がちゃんと納得できるように、私にとってもっとも望ましい結果がもたらされるように、私なりの全力を尽くすわ」
―――そうでなければ、きっと嘘でしょう?
迷彩された彼女の言葉は、やはり俺には理解りにくく、
それでも、胸の奥に確かに響いた。

(7巻 P243〜P248)


前半部分みたいにあんなことになったら、後半部分みたいになりますよ。
そりゃ。
もうね、これは恭介に対して宣戦布告してるようなもんです。
『近いうちにお前のハートを奪いに行く』っていうね。
『だから、こころの準備をしておけよ』っていうね。
それに黒猫さんが使ってる言葉がいいよ。
あいまい。抽象的。(そんな言葉を使ってる表現でいいのかな?)
『あいまい』、『抽象的』な言葉って、今の桐乃が恭介に対して思っていることを素直に言葉にするとき、今の恭介が桐乃に対して思っていることを素直に言葉にするときに、表現するならこんな言葉の羅列なんだろうなと勝手に思いましたよ。
そんな言葉を使ってるからこそ、恭介は『それでも、胸の奥に確かに響いた。』っていうことになるんじゃないかと思いますね。


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―シーン6―
・黒猫さんに呼び出された恭介。校舎裏にて・・・

「あなたをここに呼んだのは・・・・・・”呪い”を・・・・・・解いてあげようと思って」
「・・・・・・呪い?」
「え、ええ、呪いよ。いつか、ここであなたにかけた・・・・・・呪い」
紅い唇が蠱惑的に言葉を紡ぐ。
「あっ」
俺は呪い(キス)の意味を察し、かっと顔が熱くなる。同時に黒猫の顔も赤くなった。
まるで目の前の相手と感情を共有しているかのような感覚。
「呪いを解くって・・・・・・ど、どうするんだ?」
「!?ば、莫迦・・・・・・っ。あなたいま、何か想像したのっ」
心を読んだかのように叱られる。勢いに圧され、俺は正直に答えてしまった。
「いやだから、たぶん同じことをするんじゃ・・・・・・ねえかなって」
「そ、そんなことだろうと思ったわ・・・・・・。まったく・・・・・・まったく・・・・・・破廉恥な雄ね」
「ご、ごめん」
でも、普通そう想像しちゃわないか?
下唇を噛んでむくれていた黒猫は、ちらと俺の顔を横眼で睨み付け、
「呪いは―――解けないわ」
「は?」
「い、一度かかってしまった呪いは・・・・・・もう二度と”解呪”することが叶わないの」
おい。
「話が違うじゃねえか。確かおまえの『願い』を叶えれば、呪いは解けるんじゃなかったか?」
「そうね。確かに・・・・・・『私の願い』が叶えば、呪いは解ける。ただ、それはあなたにかかった呪いがなくなるという意味ではないのよ」
言ってる意味が分からない。黒猫のやつ、完全に電波入ってるが―――しかし彼女の余裕のない必死な表情を見ると、『いい加減にしろ』なんて言えるわけもなかった。
「じゃあ・・・・・・”解呪”ってのは?」


「○○○○○○○○○、○○○○○○○○○○○○○○○○」


○○○○○○○、○○○○○○○○○、○○、


○○○○○○○○○○○。




「○○○○○○○○○○○」




○○○○○○○○○―――


○○○○○、○○○○○○。


(7巻 P294〜P297)


はぁ〜ん。もう。あぁー。だぁー。ぎゃ〜す。
このこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのこのー。
ここは原作を読んでください。
そうすれば嫌でもわかります。


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黒猫さんのこと、分かっていただけましたかね。
確かに他のキャラもいいですが、やっぱり黒猫さんです。
もうやばいです。
今までは、あやせたん>黒猫さん>桐乃>以下って感じで動かなかったのが、この巻で、黒猫さん>>あやせたん>桐乃>以下になりました。
あんま変わってないけど、今まではどうしてもあやせたんの’越えられない天使の壁’できっちり守られていたんですが、黒猫さんがそれを軽々と越えていってしまったんですよ。
なんかなぁ〜。


次の8巻も楽しみにしていよう。
がんばれ黒猫さん!