ホントにいい作品!   by M-san

今日は一日中家に居ました。
部屋の掃除をしたり、テレビ見たり、WEBラジオを聞いたりで、2時間ぐらい過ごしたほかは、ラノベを読んでました。
今日読んだものは、文学少女の見習い編の最終巻です。
いくつかあるお気に入りのなかから、ちょっとだけ紹介しようと思います。


・心葉の成長
物語の始めの方に出てくるんでまだまだラストには遠いですけど、僕としてはもう見習い編はラストなんだなぁと感じました。

どうにかしなきゃいけないと思っているのに、足踏みしていて進めない。
心葉先輩に愚痴ってるみたいでみっともない―また落ち込みかけたとき、わたしを見つめる心葉先輩の眼差しが、春の日射しのようにやわらいだ。
え。
なに?心葉先輩、笑ってる。
戸惑うわたしを見つめ、心葉先輩は澄んだ優しい目で、しみじみとつぶやいた。
「・・・・・・ああ、そうか、こんな気持ちだったんだな」
吐息のような、やわらかな声。
それは、独り言みたいだった。
「え、えっと」
うろたえると、いたずらっぽい表情になって、
「世話の焼ける後輩が成長してゆく様子を見守るのは、とっても気持ちのいいものだなって認識しただけだよ」

まぶしい微笑みに、また心臓が飛び出しそうになる。
心葉先輩は、すごく嬉しそうに口元をほころばせている。
あれ?わたし、さっきまでずどーんと落ち込んでいて、暗くなっていたのに・・・・・・なんだろう、視界が開けたっていうか、心がすごく軽い。
心葉先輩が、わたしの頭に、ぽん、と手を載せる。
「日坂さんの思うとおりにやってごらん。日坂さんが相手とまっすぐに向き合って、相手の気持ちになって想像したり思考したりするなら、きっと真実が見えてくるよ」

心葉が壁にぶつかったときに、いつも遠子先輩が心葉にしたいつものやり取りが、今回も心葉と日坂でもあります。その中でも赤の太字になってるところのシーンが一番です。
1年間、日坂といた心葉は、どんな気持ちで遠子先輩は自分の事を見ていたのか、どうしていつも自分の事を助けてくれるのか・・・
一年前までは、文学少女である遠子先輩の位置に今は自分がいて、自分の位置には文学少女見習いの日坂がいて・・・
遠子先輩と別れてばかりのころの心葉のままだったら絶対・・・
やっと気付けたところなんです。
ほんと心の中から出る表情で、日坂の事を見ながらでる「・・・・・・ああ、そうか、こんな気持ちだったんだな」は、僕の中では名台詞に入ります。もし映像化されたら名シーンにも入ると思います。それに、なんか急に遠子先輩の事が浮かんできて、猛烈に切なくなりました。



・やっぱりあなたがヒロインです。
ヒロインといったら、文学少女である遠子先輩だろ・・・
それはそうだけどさ。そうだけどさ。そうだけどさ。
でももう一人いるだろう。凄いのが。
多分文学少女を読んでる人で、このキャラに悶えた人はいないだろう。
琴吹ななせ。
なぁ、そうだろ?

「心葉先輩、わたし、ライトアップされた夜のゲレンデで、二人乗りのゴンドラリフトに手を繋いで乗りたいです〜。そのあと、朝日が雪を白銀に照らす中、夜明けのコーヒーを飲むんです〜」
「ダメ!ダメダメ!夜明けのコーヒーとかナシ!も、門限は六時だよ」
「なら、スケートにしましょう。わたし、すぐに転んじゃうんで、心葉先輩しっかり抱きとめてください」
「それもダメっ。わざと井上に抱きつくつもりでしょ」
「じゃあ、温水プールで、わたしのビキニ姿を」
「そんな扁平なもの、井上は見たくないよ!」
「うあああああ、ななせ先輩、今の発言は差別です、いじめです。自分はおっきいからって!そういうななせ先輩は、心葉先輩とどこへ行くつもりですか!」
ななせ先輩が、ぽーっと赤くなる。
心葉先輩のほうをちらりと見て、目をそらしてもじもじし、
「あの、ほ、本当にどこでもいい?井上?」
「え、あ・・・・・・うん」
心葉先輩が身構える。
「あ、あたしね・・・・・・」
ななせ先輩はますます赤くなり、うつむいた。
「ディ・・・・・・ディズニーランドへ行きたい。そそそそれで、シンデレラ城の前で、ミッキーのヘアバンドつけて、井上と記念撮影したい」

どんな場面かというと、心葉に日坂とななせからそれぞれバレンタインにチョコレートをもらって、そのお返しにホワイトデー前日はななせと、ホワイトデーは日坂とデートをすることになってしまい、日笠とななせそれぞれが行きたい場所を心葉に言ってるところです。
もう言うまでなく、赤い太文字のとこがヤバいです。
もうねここ読んだ直後、十秒ぐらい死んでた。でも死んでたその十秒で、2人でディズニーランド行って、ミッキーのヘアバンドつけて、記念撮影してきました。
いい思い出できたー・・・
ってなんていうエロゲーだよまったく。
チッ・・・
心葉うぜ―


とまぁこんなものです。始めに書いたように、ちょっとだけお気に入りを紹介させてもらいました。
お気に入りはもっとあるんですが、ここで全部書いてしまうと、読んでみる楽しみがなくなってしまうのでやめます。
それと、僕が文章に書くのが遅い、表現するのが下手ってのもあるんですけどね・・・


これであとは短編集を残すだけになるのかなぁ。
そうなると終わり?
まだまだ文学少女を読んでいたいですなぁ。
こんな作品はライトノベルには見かけないので貴重なものでねぇ。
いい作品です。
僕のお気に入りの作品です。
作家さんと出版社の方に頑張って続けてもらいたいです。

“文学少女”見習いの、卒業。 (ファミ通文庫)

“文学少女”見習いの、卒業。 (ファミ通文庫)